洪水災害を防止・軽減する取組です。

■田んぼダムとは

 田んぼダムとは、「田んぼ」、がもともと持っている水を貯める機能を利用し、大雨が降ったときに、田んぼに一時的に水を貯めることで、洪水被害を防止、軽減する取組です。

 弊社の田んぼダム対応システムは、水田用水位調整器「深水バンダム」を利用して、大雨のとき、水田に水深20の水を貯留し、一度に外部に流出するのを防ぐというものです。

 この取組を効果あるものにするには、迅速、確実、安全に行うことが大事ですが、バンダムにはこれらの機能が備わっております。

木板の水位調整器からバンダムに替えたところ
新潟県村上市花立 伊藤正明様

田んぼダムポスター
北海道名寄市風連町 風連西資源保全活動組織 提供

■降雨状態に応じたバンダムの使い方

  • 平常時
    (浅水管理の状態)
  • 大雨注意予報
    (バンダム引上げ)
  • 大量降雨
    (貯留 水深20)
  • 長時間大量降雨
    (越流)
  • 沈静化→雨が止む
    (バンダム引下げ)
  • 平常時
    (被災状態の見回り)

■防災対策の課題とバンダムの能力

降雨状況と対策 バンダムの
操作(水位)
田んぼダムに必要な機能 バンダムの能力

平常時
(普通に)

平常水位

  • 保管場所が離れた場所でなく同一場所に有ると便利
  • メンテナンスは常時されていることが大事
  • 桝の中に置いてあるので、緊急時に即利用できる。
  • 点検忘れがなく、何時でも使用できるようになってる。

大雨注意予報
(バンダム引上げ)

20cm

  • 緊急時は迅速対応が要求される。
  • 安全作業が求められる。
  • 作業が簡単である。
  • 屈んだり面倒な作業がない。

大量降雨
(貯留する)

20cm

  • 貯留・水位維持が確実に行われる。
  • 過酷な環境でも動作不良が起きない。
  • 水に浮いて流出することがない。
  • 開口部が広いのでゴミ詰まりがない。
  • 風、波、水圧の急激な変化があっても板が下がることはない。
  • 桝を通じて越流するので畦を傷めない

長時間大量降雨
(越流させる)

20cm

沈静化→雨が止む
(放水河川の水位確認)
(放 水)

段階的に平常水位に戻す 

  • 安全作業が求められる。
  • 段階的に水位を下げる。
  • 屈んだり面倒な作業がない。

平常時
(普通に)

平常水位

  • 稲の生育や外部環境に合わせた水位に戻す

■深水バンダムの能力と効用

  1. 優れた貯留能力
    • 深水バンダムは、深水管理をするため、「水深20cm」までの貯留機能を持っている。
    • 降雨時に「20㎝×水田総面積」の水量を水田に貯留して河川に放出しないので、河川の環境負荷を大いに軽減できる。
  2. 緊急時に迅速・安全な対応ができる。
    • 水位調整器が常に桝の中に収納されているので、大雨の都度、別な場所から運んでくる手間が掛からない。
    • スライド式で操作が簡単、ミリ単位の水位調整が可能なため安全且つ迅速に作業ができる。
  3. 機能不全が起きない。
    • 開口部が広いので、ゴミ詰まりがない。
    • 塩ビ製なので、比重が重く(1.47)水に浮かばないので、流出しない。…品質証明参照
    • 塩ビ製なので、腐れ、変形、飛散が無い。
    • 風、波、水圧の急激な変化があっても、板が下がることは無い。(豊富な実績が証明)
    • 20cmの貯留量を超える分は水位調整板を超えて、枡から溢れることなく越流するので、畦に過大な負担が掛からず、傷めることはない。
  4. 定期点検、メンテナンスが不要
    • 常時使用して点検がなされているので特別な点検の必要がない。
    • 緊急の時に点検忘れで使えないということはない。
  5. 安価で簡単に取り付けができる。
    • 既設の枡に、木板に代えて設置するだけでよく、工事費不要、工事期間ゼロである。
    • バンダム単体の価格も安価であるが、貯留機能の他に、簡単・便利な水位調整機能を保有しているので、トータルコストとして安価で済む。
    • 多面的機能支払制度を利用すれば、費用負担はなくなる。
  6. 豊富な実績
    • 公共事業(国営・道営事業)に採用されている。…納入事例参照
    • 農地水制度の中で全道に広く採用されている。
    • 田んぼダムとしても同様に採用されている。

■深水バンダムを使っての導入事例紹介

組織名
風連西資源保全活動組織
代表者
有門 優
郵便番号
098-0507
住所
名寄市風連町西町190番地1
電話番号
01655-3-3316
発足日
平成19年4月27日
会員
192名
土地改良区
天塩川土地改良区
地  名
明治30年多寄村、昭和13年多寄村から風連町に分村
歴  史
明治31年アイヌが行き来するだけの地に山梨県人と伝えられる3人の男が足を踏み入れ、以来本州府県から開拓移民が入植。
地勢・気候
名寄盆地の中心、天塩川とフーレベツ川の間の肥沃な平原にある夏+30℃冬-30℃冬雪多く厳しい自然なるも農畜産物に恵み多い
産出米
主な品種 もち米(はくちょうまい) 柔らかく、固くならない品質が評価されており、全国一のもち米生産団地となっている。
供給先
伊勢の赤福、福岡県「もち吉のあられ」大手コンビニ等に供給
田んぼダム活動内容
<既設桝に水位調整器設置>
大量降雨時に水田水を20㎝の高さで貯留し、下流の水害を防ぐ(桝の横幅320~330の3タイプ)
<ポスター制作>
農地水活動内容
<シバザクラを水田畦畔に植える>
女性を中心に植栽範囲を拡大している(観光バスが立ち寄る観光スポット)
地域全景
<田植え時期はシバザクラ満開>
組織名
沼田東部・西部地区活動組織
代表者
東部地区 川村五十六
西武地区 山本孝司
郵便番号
078-2202
住所
雨竜郡沼田町南1条3丁目6-53
電話番号
0164-35-2775
発足日
平成19年4月
会員
100名
土地改良区
沼田町土地改良区
地  名
沼田町
歴  史
明治27年富山県人沼田喜三郎翁が18戸と移住したのが始まり大正11年沼田村と改称。かっては炭鉱と稲作の町として繁栄し その後稲作中心の農業の町となる。
地勢・気候
北海道のほぼ中央、石狩平野の北端部にあり、雨竜川や小河川に沿って開けた肥沃な水田地帯。他方には二方山山岳地帯もある
産出米
品種はユメピリカ、ななつぼし等あり、雪の冷気の中、籾のまま冷蔵して収穫時の鮮度を保った「雪中米」のブランドで出荷されている
供給先
広く一般ユーザーに供給
田んぼダム活動内容
<コンクリート製落口桝設置>
水田水の排出口をコンクリート製の桝にする(農地水1期目)
<水位調整器設置>
農地水2期目からスライド式水位調整器を導入し田んぼダムの機能アップを図る
農地水活動内容
<畦の防虫対策としてハーブを植栽>
女性が中心となり活動している
地域全景
雪中米貯蔵施設に冷房用雪を投入しているところ
組織名
名寄東資源保全活動組織
代表者
佐藤哲夫
郵便番号
096-0061
住所
名寄市朝日1293-1
電話番号
01654-2-2070
発足日
平成20年4月
会員
25名 1戸当り所有水田20Ha超
土地改良区
天塩川土地改良区
地  名
中名寄地区
歴  史
明治33年山形県の開拓団が集団移住して以来、東方の下川鉱山とを結ぶ国道沿いに、稲作の適地として発展した。
地勢・気候
名寄市の東部に位置し、周囲が山に囲まれ、サクラ鱒が遡上する清流名寄川沿いに広がる肥沃な水田地帯。夏冬の寒暖差60℃。
産出米
1戸当り水田所有面積20haを超える地域。もち米(はくちょう・風の子)を生産。柔らかく、固くならない品質は高評価を受けている
供給先
伊勢の赤福の他、大手コンビニに供給している。
田んぼダム活動内容
<水位調整器 設置>
大量降雨時に水田水を20㎝の高さで貯留し、下流の水害を防ぐ
地域自慢
<清流 名寄川>
基盤整備工事中
<殆どが1町歩超の面積>
地域全景
<山から町の中心地を望む>
組織名
東滝川農地・水・環境保全協議会
代表者
井上正雄
郵便番号
住所
滝川市南滝の川505-1
電話番号
01654-2-2070
発足日
平成19年3月11日
会員
64名
土地改良区
空知土地改良区
地  名
東滝川はもと「下幌倉」と呼ばれ、近くを流れるホロクラ川からきた呼称
歴  史
明治34年屯田兵第2大隊が解散の際に公有地が解散し同36年に6戸が入植して下幌倉の開拓が始まった。若手後継者が多くおり発展が期待される。
地勢・気候
滝川市の東部、国道38号線沿道に位置し、空知川の右岸沿いに広がる沖積土の平坦地、アオサギが生息し、白鳥が飛来する自然環境に恵まれた土地。
産出米
ななつぼし、きらら、ゆめピリカ等、地域全体で農薬の使用回数を成分回数で10回以内を目指して安全安心なお米を作っている。
供給先
広く一般ユーザーに供給。
田んぼダム活動内容
<コンクリート製落口桝設置>
水田水の排出口をコンクリート製の桝にする(農地水1期目)
<水位調整器設置>
農地水2期目からスライド式水位調整器を導入し田んぼダムの機能アップを図る
農地水活動内容
<学校教育との連携>
自然観察会や田植え体験を実施し農業への理解を得る
地域全景